トランプ就任とニール・ヤングの新曲Big Change

トランプ就任とニール・ヤングの新曲Big Change

ニール・ヤングはどういうつもりでこの曲を出したのか。PVを見ると「大きな変化がやってくる、悪くなるかも、良くなるかも」と歌いながら星条旗を振り回している。トランプ就任式の数日前に発表されている。まさかお祝いしてるわけじゃないよな、と心配になった。

まずはこの歌の歌詞。

Big Change
Big change is coming
Coming right home to you
Big change is coming
You know what you gotta do
Big change is coming
Could be bad and it could be good
Big change is coming
It's coming right home where you stood
Big change is coming
Big change is coming
Big drums are drumming
Heading up the wrong parade
Big change is coming
Coming right to your gate
Big guitars strumming
The singer says, "Don't be late"
Big change is coming
Could be bad and it could be great
Big change is coming
Big change is coming
Coming right where you stood
大きな変化がやってくる
あなたの家にやってくる
大きな変化がやってくる
あなたは何をすべきか知っている
大きな変化がやってくる
悪いことも良いこともあるだろう
大きな変化がやってくる
あなたが立っている場所にやってくる
大きな変化がやってくる
大きな変化がやってくる
大きな太鼓が鳴り響く
間違ったパレードに向かう
大きな変化がやってくる
あなたのゲートまでやってくる
大きなギターをかきむしる
歌手は言う、”遅れるな
大きな変化がやってくる
悪いかもしれないし、素晴らしいかもしれない
大きな変化がやってくる
大きな変化がやってくる
あなたが立っていた場所にやってくる

歌詞を読んだだけでは正直良くわからない。
トランプ就任を肯定的に捉えているようにも聞こえる。しかし、枝にくくりつけた星条旗を執拗に振り回しているというのは、やっぱり皮肉なんじゃないのか。しかもソニーのでかいラジカセを肩にのせて雪山を歩き回りながら。

「neil young trump」とググってみる。するとこのような過去のニュースが出てくる。

2016年の選挙のときに、自分の曲がトランプの集会で使われたことに抗議して訴訟を起こしたという。しかし2020年にはその訴訟を取り下げている。理由はわからない。

また2024年の選挙の際はハリスに投票すべきだ、と立場を明確にしている記事もあった。

なんとなれば、これまで彼は一貫して反トランプの立場を表明してきている。2020年2月、トランプ大統領に公開書簡を送り、彼を「我が国の恥」と呼んだという。また2022年に親トランプ、反ワクチンで人気を博したジョー・ローガン・エクスペリエンスのポッドキャストをSpotifyが削除しない場合は自分の音楽を削除すると脅迫する公開書簡を投稿した。結果、Spotifyはその要請に応じなかったため、1月26日、ヤングの音楽はSpotifyから削除されたという。連帯して、ジョニ・ミッチェルやクロスビー、スティルス、ナッシュのメンバーを含むアーティストもSpotifyから音楽を削除したそうだ。
 
古くから湾岸戦争など戦争反対の立場をとり、モンサント社への抗議など農業問題や森林保護など環境問題への関心、アメリカ先住民などマイノリティの人権保護などに関与してきた人なのだ。

だから、今回もその延長線上と考えてよいのだろう。ニール・ヤングは元々カナダ人である。アメリカ国籍を得たのはなんと2020年のことだという。そういうことを念頭にこのPVを見ると、やはりこんなことで腐っていてはダメだろ、塞いでたってしょうがないだろ、今こそ立ち上がるんだ、自分ごととして行動するんだ、とアメリカ人を鼓舞しているのじゃないだろうか。

ニール・ヤングは1945年11月生まれの今年80歳だ。ああもうお爺さんじゃないか、と思ったものの、一方でトランプは1946年6月生まれ、ほぼ同い年だった。ニール・ヤングは怒っているのだ。歌詞にも出てくるが、この曲のかきむしるようなギターソロを聞けばわかるだろう。

人種差別がいいわけがない。ジェンダーの多様性が守られなくて良いわけがない。二酸化炭素の排出を減らさなくて良いわけがない。何より、イーロン・マスクみたいな金持ちばかりが優遇されて好きなようにやりたい放題の世界なんか良いわけがないじゃないか。

でもそんなことはアメリカに住む多くの人たちこそが身につまされて感じていることだろう。

ニールヤングはこの曲も含めた新しいアルバムを出すようだし、ライヴも結構やっているようだ。そうだ塞いでたってしょうがないのだ。腰が痛いとか言ってちゃダメなのだ。こちらは2024年5月のクレイジーホースとのライブの模様。見習おう。

こちらは2024年9月、クロムハーツとのライブの模様。

そして最後に僕が一番好きな映像。1976年。もう50年前になるのか。


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